低中所得国の地域社会や、高所得国の保育所や学校で、手洗いを奨励することによって下痢の頻度を減らすことができるか調べたシステマティックレビュー。コクラン。
P;保育所や学校、地域社会、病院
E;手洗いを奨励するプログラムあり
C;手洗いを奨励するプログラムなし
O;下痢の回数
データは2020/1/8まで、
29件のRCTとクラスターRCT、主に高所得国の児童保育所または学校からの13件(54,471人)、低中所得国での15件(29,347人)、およびAIDS患者を対象とした1件(病院、高所得国、148人)
高所得国の保育園や学校の子供は、下痢の回数が4回から2回(/100人・年)に減った。
(9RCT、4664人、IRR0.7)
(米国、デンマーク、オーストラリア、オランダ、カナダ)
低中所得国の保育園や学校の子供は、22回から15回(/100人・年)に減った。
(2RCT、45380人、IRR0.66)
(エジプト、ケニア)
低中所得の地域コミュニティでは、3回から2回(/100人・年)に減った。
(9RCT、15950人、IRR0.71)
(コンゴ民主共和国、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、ペルー、インド、ネパール、エチオピア)
AIDS患者のおとなでは、2.92回から1.24回(年平均)に減った。手洗いの頻度が1日4回から7回に増えた。(1RCT、148人)
手洗いを奨励することは、高所得国でも低中所得国でも30%ほど下痢の回数を減らす。
いまさらですが、promotionを正確な日本語にしたら何なんだろうか、わからなくなり言葉がさまよってしまった。奨励かな?幅がひろい言葉な気がする。
とっても介入しがいのある結果でうれしい。うれしく読むので見方が偏りますよね…ほめすぎ注意。
手洗い奨励とは?
子供とスタッフに手洗い教育をすること。
食べる前、トイレのあと、鼻かんだあと、帰宅後、おむつを扱ったあと、等。
石けんがしっかり使える環境かどうかにも左右されるし、そもそも、きれいな水が潤沢に手洗いに使えるかどうかも影響すると思われる。
日本は、水道からザバザバ水が出てしっかり洗えるから、たいへんありがたい国ですね。