「セルフメディケーション税制」とは。
健康を維持し病気を予防するために一定の取組を行っている方が
自分と同居家族のために12,000円以上の対象医薬品を購入した場合
通常の医療費控除のかわりに「セルフメディケーション税制」を受けることができます。
つまり、医療費削減に貢献してくれた方には税金負担を減らしてあげますという制度です。購入費用がそのまま返ってくるわけではありません。
また、市販薬なんでもOKではないので、「ドラッグストアでよく薬を買うんだけど対象ではない」というケースもあります(※1)。
いつも医療費控除を受けている方は、セルフメディケーション税制を受けると通常の医療費控除は受けられませんので、どちらがお得か計算しておくのがよいでしょう。(下記に計算ツールがあるサイトも貼ってます)
受けられるかどうかは一年過ごしてみないとわからないと思いますので、とりあえず「セルフメディケーション税制を受けるためのレシート(※2)」は保管しておくことをおすすめします。
あとはインフルエンザ予防接種の領収証か健康診断の書類があればOKです。セルフメディケーション税制を受けるために「一定の取組」を示す必要があります。(※3)
(※1)対象の薬は一部の医薬品に限られる
昨年インフルエンザ(推定)にかかった私はドラッグストアでいろいろ買い込み1週間ほど引きこもりましたが、対象商品でないものばかりでした。(麻黄湯・竹茹温胆湯・タイレノール・ペラックT錠、すべて対象外でした)(総合感冒薬を買えば該当する商品が多いのですが、好きではないので買いませんでした…)税制を活用しようと考えると、つい薬を使うことを考えてしまいますが、冷静に振り返ってみると私には不要だったようですね。でも当時はあたらしい職場を初日から休まなくてはならない状況でして、早く何とか治したいという気持ちでいろいろ試してしまいました。結果的には、高熱時だけタイレノールを飲んで、あとは水分とってゆっくり寝ていてもよかったと思います。
こうしてみると、セルフメディケーションにおいて「何を買えばよいか?」は、その人の価値観とその時置かれた状況で大きく変わるということです。総合感冒薬を買う人もいれば、漢方を好むひともいるだろうし、薬なんて飲みたくない人もいる。セルフメディケーション税制を活用するという観点からは、対象成分のイブプロフェンを含む総合感冒薬を購入することがベストなのでしょうけれども。
セルフメディケーション税制と相性がよさそうだな?という視点で考えると、
・年に何度かは薬の購入が必要になる
・有効成分がセルフメディケーション税制に合致している
・自分で経過をみやすい
というところでしょうか。たとえば…
- 花粉症
- 確定診断を受けた水虫(爪水虫は病院で治しましょう)
- 慢性的な頭痛(薬剤性の頭痛に注意)
- 再発する口唇ヘルペス
- ふだんから湿布をよく使う人
- 禁煙したい人
花粉症の薬はとてもおすすめです。市販薬の種類も増えましたし、トータルの薬代もそこそこ必要ですし、ほんらい健康な人が2-3月に頻繁に病院を受診するのは他の病気をもらうリスクが高くなるし、セルフケアする価値があると思います。
総合感冒薬も対象品が多いのですが、年に何度も風邪を引かないだろうから、あてにして計算に入れるのはやめたほうがいいかも。
頭痛薬は税制に該当する成分が自分にあっていれば、利用してもよいと思います。飲みすぎ注意。薬剤性の頭痛を起こす可能性が高まります。
口唇ヘルペスは金額的におすすめですが(高いので)、高いから病院にかかりたい(保険診療がいい)という方も多く、難しいところです。病院では診察にかかわる費用が発生しますし、予備余分は処方されないのでその都度受診が必要です。
口内炎や胃腸の薬に関しては、慢性的に継続使用するものではなくいちどは病院にかかっておいたほうがよいと考えますので、市販薬で長期服用はあまりおすすめいたしません。
湿布については、医療用は70枚処方制限もされますし、市販薬がおすすめできますが、銘柄変われば使用感に好みがわかれるところ。
禁煙は税制うんぬんよりもとにかくおすすめです。ちなみに12000円以上かかります。
(※2)
当薬局では、セルフメディケーション税制対象品目がわかるようにレシートの商品名に(★)を付けています。