MOHの離脱性頭痛の治療におけるメチルプレドニゾロンまたはパラセタモールの有効性を評価すること
パイロット研究、ランダム化、被験者のみ単盲検、プラセボ対照試験、中央割り付けではないが割り付けに研究者は関与しなかった、層別化できなかった
P)
18歳以上、外来で3か月予防治療の効果がなく入院して離脱療法を受けた患者83名
15日/月以上の頭痛、3か月以上の鎮静薬乱用(10日/月以上のエルゴタミン、トリプタン、オピオイド、またはそれらの併用)
除外)妊娠中、授乳中、二次性の頭痛、他の薬物依存の既往(アルコール、鎮静剤、大麻など)、進行性の身体的精神的疾患がある、パラセタモールの過剰使用、併存疾患でステロイドを使っている
乱用されていた薬物を中断し、
E-a)メチルプレドニゾロン500mg/day
-b)パラセタモール4000mg(2000mg/1000mg/1000mg)
C)プラセボ(生理食塩水)
をivで投与
O)離脱の5日目に頭痛がないこと
57名が完了
ベースライン確認、プラセボ群は他剤の群にくらべて頭痛の持続時間が長かった(p=0.0230)
断薬後の2日目がいちばんリバウンド頭痛が強い、この時点のみ両試験薬はプラセボより有効と言えるかも(p<0.001)
でも5日後には差がなかった(p=0.396)。メチルプレドニゾロンの4人の患者(21.0%)、パラセタモールの6人の患者(31.6%)およびプラセボの2人(12.5%)に、5日目の離脱頭痛は見られなかった。
フォローアップ後、
リバウンド頭痛は中央値7日間(5-8)、差なし
39人(73.6%)は薬物の乱用を中止できた、差なし
全体的な頭痛の頻度は13.5(8–24)日/月
薬剤服用8(5–13)日/月
原因薬剤はトリプタン(68.4%)、ふつうの鎮痛薬(31.6%)、麦角アルカロイド(5.3%)、併用(29.8%)
MOHの治療は原因薬剤を中断すること、ただし、頭痛、吐き気、嘔吐、動脈性低血圧、頻脈、不眠症、不安症などの離脱症状が生じる可能性がある。
そのため断薬後はアミトリプチリン(26.3%)、β遮断薬(29.8%アテノロールおよび8.8%プロプラノロール)、フルナリジン(7.0%)、ペルフェナジン(12.3%)、トピラマート(28.1%)、バルプロ酸Na(8.8%)などで断薬後の症状に対し治療が行われた。これらに群間差はなし。
そもそも、もともと頭痛があるから鎮痛剤を服薬するようになったワケで、薬物乱用頭痛を治療したからといって「ゼロ」にはならないんよな…と思ってしまった。
でも、毎日(28.5日/月)頭痛→13.5日/月に減るのはとてもうれしいはず…治療はしたほうがいい!
一方で、それでも頭痛が解決しない人もいる。
薬物乱用頭痛は薬をやめれば確かに改善するかもしれない、けれど、もとからあった頭痛がなくなるわけではなくて、やっぱりなんらかの手当てをしつつ上手くつきあって生きていかなければならないんですよね。