ロペラミドは、ほとんどの方にとって、正しく使うと、とても安全なお薬です。不安な方はまず、医師薬剤師によくご相談ください。
ドラマに出てきたロペラミド過量服薬、つい気になって調べ始めてしまった。登場人物が服用した薬は医師の指示にもとづいた処方薬であり、過量服薬してしまったとはいえさほど常軌を逸した量ではなかったはず、と思いながら。循環器系の基礎疾患があったのだろうか?抗がん剤の副作用対策で使われるロペラミドは多めとはいえ初回4mgその後2mg/回とかで5-6回飲んでも1日量は20mgいかないくらい?各病院の患者配布資料なんかをざっくりみてると、もっと少なめなパターンもありそう。いずれにしろ下痢が改善しなければ再診する。
化学療法誘発性下痢:病態生理、頻度およびガイドラインに基づく管理
ロペラミドは、腸の平滑筋に直接作用して腸の運動性を低下させることで機能するオピオイドであり、吸収が少ないため全身的な影響はない<略>ロペラミドの投与量は、最初に4mgを投与し、その後2~4時間ごとに2mgを、または未形成便のたびに2mgを投与する。
輸入サイト等いろいろ検索していると闇をみますねぇ、海外のは2mg1錠、100錠までの包装が多いけど、1000錠包装とか…自動分包機用?そして海外の症例報告がどれも薬物乱用の既往があるような方ばかり、オピオイドの離脱症状から逃れるために、わざとロペラミドを過量服用しているということだ。飲みにくい剤型や、開封がめんどくさい包装であるほうが安全なのかもしれない。ビン入りとかはあぶないですね。日本の市販ロペラミド、フィルムタイプのやつとかとても飲みやすい剤型だけどたくさん飲むには包装がめんどくさいタイプですね。
35歳男性ICD、基礎疾患があるケース、オピオイド依存あり、服用量不明(ロペラミドがいっぱい入った袋を持ってた)
※医療用麻薬の乱用が問題となっている海外では、ロペラミドは、オピオイドのような陶酔感を得るか、オピオイド離脱症状から逃れるために一部の患者によって乱用されている。この乱用薬物の使用は年々増加しており、報告されている過剰摂取の症例数は毎年増加している。ロペラミドで全身性オピオイドの効果を得るには、常用量よりもはるかに高い用量が必要。これらの過剰摂取は心不整脈及び電解質障害をもたらし致命的。
インタビューフォームより
副作用に対する潜在能力を調べる実験で、健康人に 1 回 60mg まで投与したが、重大な副作用は 起こらなかった。
中毒症状;外国で、昏睡、呼吸抑制、縮瞳、協調異常、筋緊張低下、傾眠、尿閉など。腸管壊死に至る麻痺性イレウスにより死亡、QT延長、Torsade de Pointes を含む重篤な心室性不整脈、Brugada 症候群の顕在化の報告あり。
処置;中毒症状がみられた場合にはナロキソン塩酸塩を投与する。服用直後であれば活性炭も有効かも。尿中にあまり排泄されないので強制利尿は有効でない。