さまざまな医薬品の流通が崩壊しています。
注文しても入荷しない薬が、ものすごく増えました。
はじめましての患者さんの処方せんを受付するとき、医薬品の新規注文が実質不可能な状況だと、面分業やってるかかりつけ薬局はほんとうにとても困ります。新規じゃなくても毎日ひとつ飲んでる薬だって、100錠包装だったら2-3か月に1回しか注文はしないので、急に「先月の購入実績」を求められるのもほんとうにとても困ります。そんなふうにみんなが苦労して手に入れる薬を、他の薬局で小分けしてもらうのもたいへんなのです。
流通はとても不確かで、「新規購入はダメ」って言われる一方で、いつも買っていた薬もなぜか入荷しなくなりました。買わなかったのではなく買えなかったのにそのうち「先月の実績がないからダメ」と言われます。他メーカーにのりかえようとしてももちろん「実績がないからダメ」。
薬をさわるのは薬剤師ですし、患者さんに直接対応するのも薬剤師なので、この流通問題には薬剤師がいちばん危機感を持っていると思います。しかし、薬局は流通の末端なので、個人でどうにかできることではありません。
現場のことを知らない国や厚労省の方々、そして何より薬剤師会が、この流通崩壊の問題に興味がなさそうなことが、とても残念です。(個人では省庁や厚生局のフォームに投稿するぐらいしかできません)(厚労省へはもう2回も送った)(厚生局は電話しようかな)(日本薬剤師会のWebはご意見フォームすらないことに最近気づいた、会員の意見を聞く気がないなコレは)(県薬に言ってもどうもならんし)
まぁ、憤っていても薬はない。先日は「貴薬局はジェネリック医薬品を良く扱ってる薬局として認定されましたよ云々」で認定証が送り付けられてきましたが、こんなものよりね、薬がほしいんですよ。ないものを取り扱うことはできないんです。
学会から指針を出してもらえるとたいへん助かります。医師は流通崩壊していることを知らない人も多いので、メーカーからお知らせしてもらいたい。してるのかもしれませんが、本当の意味で届いてはいないと思います。
薬剤師が本来の業務に専念できるようにしてほしい
当店はひとり薬剤師なので、卸からの入荷がなければ私自身が薬を小分けしてもらいに出かけなければならず、その間は連絡先を貼り紙して薬局を閉めなければなりません。小分けをして下さる先の薬局にもお手数をおかけすることになるし、急な閉店中に来店される方にご迷惑をおかけしますし、なにより薬がないということで不安な思いをさせてしまいます。
薬を管理し流通させるという「対物業務」が整っていないと、患者さんに向き合う「対人業務」ができなくなるんですよね。服薬指導の時間を割いて欠品にまつわる話をしなければならない状況です。
患者さんが、自分に必要な薬を身近な薬局で手に入れられるようにしてほしい
患者さんが選んだ薬局で、自分に必要な薬を手に入れることは、かかりつけ薬局とかかりつけ薬剤師の制度において根本的に必要なことだと思うんですよ。自宅の近くの薬局や、かかりつけ薬剤師のいる薬局に処方せんを持参しても、その薬局に在庫のない薬があれば新規で購入しなければなりません。いまこれができない。
国は、かかりつけ薬剤師やかかりつけ薬局を推進しているのだから、もっと状況を把握して患者さんが困らないように動いていただきたいです。
学会等からのお知らせ
骨粗鬆症診療に携わる医療機関の皆様へ、日本骨代謝学会・日本骨粗鬆症学会、2021/7/19
ビソプロロール 0.625mg 錠供給不足に伴う対応に関する日本心不全学会からの提言
抗てんかん薬の安定供給に関する要望書、日本てんかん協会、2021/10/29
出荷調整をしらべるサイト
めちゃお世話になっております。