どの程度の訪問回数が適切かは個別の問題であり、こうと決まったものはありませんが、やはり疾患によって左右されることが多いため、目安として書いてみました。
また、状態が悪いほど、受診する診療科が多いほど、診察回数が増えますので対応の必要が増してきます。
月1回かかりつけ医の往診が行われるケース
月1回Aクリニックの往診あり
薬剤師は月1~2回定期訪問
- 比較的体調は落ち着いている方
- おくすりカレンダー活用でご家族や多職種の見守りのもとで服用が可能な方
退院後からの通院困難でかかりつけ医の往診が始まったケース
月2回Aクリニックの往診あり
薬剤師は月2~4回の定期訪問
- 途中で効果・副作用を確認して次回の診察・処方に活かすことができる
- 薬の管理が大丈夫そうなら月2回、薬の管理が困難であったり、粉砕が必要であれば月4回程度
- 市販の栄養剤や衛生用品、紙おむつなどのお届けも兼ねて
退院前カンファレンスにぜひ薬剤師を呼んでください
がん末期に自宅で過ごしたい
週2回Aクリニックの往診
週2回薬剤師の訪問+緊急対応
- がん末期ではこまめな処方調整が必要になることがある
- 医療用麻薬の使用量が急に変化したときや、副作用が出て薬剤中止・処方変更の指示が出るなど、緊急対応が増えることもあります
- がん末期の場合は、週2回(月8回)の定期訪問と月4回までの緊急訪問が可能です
退院前カンファレンスにぜひ薬剤師を呼んでください
中心静脈栄養が必要な方
定期的にB総合病院を受診
薬剤師による無菌調剤と定期訪問
- 処方内容を確認し、薬剤の安定性、家庭での保管状況を考えて、無菌調剤の予定を組みます(週2回など)
- 混合するものが多いと安定性が明確でない場合があり、長期保存ができないことがあります
- なるべくキットの既製品を使用し、使用直前まで開通させずに日持ちのする設計がたいせつ
- 家庭の冷蔵庫の大きさ(保管できる日数)に左右されます
退院前カンファレンスにぜひ薬剤師を呼んでください
からだは元気なんだけど認知症で…
2か月に1回B総合病院を受診
薬剤師は月4回まで訪問可
- 認知症で薬を飲みすぎるのですべてを本人管理にするのがあぶない、長期の薬の管理が困難、貼り薬を毎日だれかが貼ってあげないといけない、など
- 使用できる、必要最小限の薬にしぼる検討も必要かも
多くの人とのかかわり、見守りが必要かと思われます。薬剤師もお手伝いいたします。
介護保険が利用できない方は別途ご相談ください
複数科の受診で薬が多くて困っている
2か月に1回B総合病院
1か月に1回C脳外科
不定期に皮膚科を受診
- 複数科の残薬は日数がそろわず混乱しやすい
- 複数科の薬剤併用は処方薬が重複しやすくポリファーマシーにおちいりやすい
- 他科の併用薬との相互作用の確認が難しくなる(相互作用や副作用に対しても新たな薬が処方されてしまう)
- 医師は他の医師の処方に口をはさみにくいそうなので、薬剤師が仲介いたします
これは在宅医療でなくても切実な問題かと思われますので、薬局窓口にいらっしゃる方でも、いつでもご相談ください。