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将来、薬剤師がワクチンを打つかもしれない話

薬剤師のお仕事

4月のさいごの1週間は国連の定める世界予防接種週間です。

たくさんのこどもの命を救ってきたワクチンについて改めて知りましょうという催しですが、このコロナ禍においては、皆がワクチンについて少しは考えた1年だったろうと思います。もちろん、新型コロナのワクチン以外もとっても大切なので、こどもたちは特に、接種もれがないように気を付けてくださいね。コロナ以外の感染症だって、とても怖いんですよ。ワクチンは下記のサイトで学ぶのがおすすめです。

日本プライマリ・ケア連合学会の「こどもとおとなのワクチンサイト」

こどもとおとなのワクチンサイト
日本プライマリ・ケア連合学会のワクチンプロジェクトチームが運営する、0歳から高齢者までのワクチン及び予防接種等に関する情報サイト。こども、おとな、全年齢別のワクチンスケジュールを掲載。

日本小児科学会の「知っておきたいわくちん情報」

日本版Vaccine information statement|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY
公益社団法人 日本小児科学会公式サイト

さてわたくし、広島市の新型コロナワクチン集団接種会場でのお手伝いをする予定です。3月末のオンライン研修は受けました…順調にいけば5月には実技研修が受けられるかなぁ、どうかな。練習用にモノを配ってくれたら一人でも練習できるんですけどね。想定されているのはバイアルからシリンジへワクチンを吸い取る作業です。平日は当薬局を閉められないので実際のお手伝いは土日だけになりそうです。土日も…やりますよね?当然ね?ワクチンを全員分確保できる見込みがついたのだから、使用期限内に打ってしまわないと!余って廃棄などとんでもないことです。(まぁ予定は未定、コロコロ変わりますので…まさか4月末まで自分が接種終わってないとは思いませんでしたし)

ワクチン、国内対象者分を9月確保、河野氏「ファイザーが追加供給」

ワクチン、国内対象者分を9月確保 河野氏 「ファイザーが追加供給」 - 日本経済新聞
河野太郎規制改革相は18日、新型コロナウイルスワクチンに関し、9月末までに接種対象者全員分を確保できるとの見通しを示した。同日のフジテレビ番組で米ファイザーから追加供給を受けると明らかにした。菅義偉首相は米国訪問中の17日、ファイザーのアル...

「ワクチンないからしようがないよね、日本はなかなか接種が進まないだろうね」と言っていたところへ、こんなに早くワクチン輸入のめどがつくことになり、一気に状況が変わります。ここから先はスピード勝負。

スピード勝負、のはずですが、日本では集団接種ではなくクリニックで個別接種をメインに行う自治体が多いそうで、日常診療のあいまに国民全員のワクチン(×2)が終了できなさそうなんですよね。街のクリニックじゃ日曜日はやってくれなさそうだし。日本国民全員ワクチンを終わらすには医師看護師では手が足らないため、歯科医師にも集団接種のお手伝いをお願いすることになるようです。手がふえたら集団接種の会場を増やすことになるんだろうか?

ワクチン接種 歯科医師も条件付きで容認へ 厚労省

ワクチン接種 歯科医師も条件付きで容認へ 厚労省
新型コロナのワクチン接種が歯科医師にも認められました。 新型コロナウイルスのワクチンは、法律上は医師や看護師が接種しますが、地域によって担い手不足が問題となっていました。 厚生労働省では23日に有識者会議が開かれ、医師や看護師が確保できない...

海外の薬局では薬剤師もワクチンを打つことができる国があり、ワクチン接種の拠点として活躍しているようです。今の日本では薬剤師はワクチン打てません。けれど、ワクチンを接種するというのは「ワクチンを三角筋に打つ」ことだけではないんですよね。むしろそれ以外の仕事のほうが、「公衆衛生をつかさどる」薬剤師の真骨頂だと思うのです。

たとえば、薬局薬剤師がいちばん力を発揮できるのは、「接種前のワクチンに関する不安を解消すること」「接種後の副反応の経過を本人とともに見守ること」「必要あれば受診をすすめること」などで、集団接種会場でいえば「問診票がひとりで書けないひとのお手伝いをすること」、さらにその前でいえば「接種会場に行く前の準備(体調管理、お薬手帳や予診票の準備)」、もっというと「ワクチンよく分からないけどなんとなく怖い」という人たちに正しい情報を届けることだと思うんですよ。

とはいえ、薬剤師がワクチンを打つことが可能になれば、これまで以上に「ワクチンによる病気の予防」について皆さんにお話する内容が説得力のあるものに変わる、変われる気がしています。公衆衛生により深くかかわるチャンスであります。今回は無理かもしれないですが、いつかそうなるといいなぁと思います。

今はワクチン打てませんけど、ワクチン接種前の不安などありましたらご相談にのることはできますので、ぜひかかりつけの薬局に相談していただけたら、と思っています。


【2021/5/18追記】
薬剤師による新型コロナのワクチンの接種に関して、オンラインで署名活動が行われました(わたしも署名しました!)。
また、薬剤師による新型コロナウイルスのワクチン接種を求める署名を、河野大臣に受け取っていただけたそうで、思ったより話がすすんでいますね。

ワクチン接種の担い手「薬剤師も検討」 河野氏

ワクチン接種の担い手「薬剤師も検討」 河野氏 - 日本経済新聞
河野太郎規制改革相は18日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種の打ち手を確保するため薬剤師の活用を検討すると表明した。現在、接種できるのは医師、看護師、歯科医師に限る。「薬剤師も次の検討対象になる」と明言した。政府は4月、...

↓オンラインで署名をあつめる、change.orgにとびます

薬剤師さんが新型コロナワクチンを接種できるようにしよう!

すごいねぇ…。今回は「集団接種での」打ち手としての話が進んでいるということです。ちょっと私が考える「薬剤師によるワクチン接種」とは違うんだけど、第一歩ですね。でも、今回の集団接種においては特に、ワクチンの管理と準備、問診票の手伝いのほうが薬剤師として大切だし大変だと思うので、よっぽど薬剤師が余る会場でないと機会はなさそうだなぁとも思ったり。調製はぜんぶ済んで1日の終わりのラストスパートなところで、接種側にまわったりするのだろうか?
いやぁ、やっぱりいつか薬局で個別接種できるようになるといいですね。

【2021/6/2追記】
薬剤師による新型コロナワクチン接種、狭間先生のオンライン討論会をのぞいてみました。5/31に薬剤師による接種はとりあえず見送りとなり、お通夜モードなんかな~と勝手に思っていましたが、ぜんぜんそんなことはなく前向きでうれしかったです、にこにこしながら聞いてました。
今回の集団接種における打ち手になるかならないかという点と、将来に薬局で予防医療としてワクチン接種ができるようになる件は、切り離して考えなければならない、でも準備は始めるぞ、なんなら始めてる機関もあるぞというお話。法的な問題はあるけれど、積極的にかつ丁寧に準備して動けば乗り越えられるということですね。
今後の見通しとして、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは毎年うつことになりそうだし、薬局や薬剤師が予防医療にもっと携われるとうれしいです。

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