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がん患者においてオピオイド誘発性の悪心および嘔吐はプロクロルペラジンで予防可能か?

論文情報
Efficacy of Prophylactic Treatment for Oxycodone-Induced Nausea and Vomiting Among Patients with Cancer Pain (POINT): A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind Trial - PubMed
Prophylactic prochlorperazine seems to be ineffective in preventing opioid-induced nausea and vomiting (OINV) and may cause adverse events such as somnolence. R...

オピオイド誘発性の悪心および嘔吐は、オピオイドを開始した患者の最大60%に発生し、がん患者に鎮静薬の投与量過少をまねいて十分な鎮痛が行えない可能性がある。
悪心および嘔吐はプロクロルペラジンで予防可能か?

2013年11月~2016年2月、単一施設、ランダム化あり(層別化あり;性別、年齢、ECOG PS、疼痛スコア)、二重盲検、プラセボ対照RCT
経口オキシコドン使用、原発性、20歳以上、平均余命1か月以上
ECOG performance status 4(寝たきり)は除外。

P;経口オキシコドンの投与を開始したがん患者(120人)
E;プロクロルペラジン5mg1日3回5日間(60人)
C;プラセボ1日3回5日間(60人)
O;プライマリ;CR(complete response)率(オキシコドン使用中120時間完全に効果が得られた患者の割合)
セカンダリ;吐気のエピソードがあった患者の割合、中等度または重度の悪心があった患者の割合、QOL、治療脱落の割合

※完全に効果が得られたとはどういうことか?
5日間、吐き気のエピソードがなく、悪心および嘔吐に対して吐き気止めのレスキュー使用が不要であった

CR率は、プロクロルペラジン群69.5%・プラセボ群63.3%で有意差がなかった。


オピオイド開始時に起きる悪心嘔吐に対してノバミンは効果がなかったよ、という結果。むしろノバミンで傾眠が出るからやめておいたほうがいい、という結論。
単施設で、被験者に肺がんの割合が多いので、消化器がんが中心になるとまた違う結果が出たりするだろうか。

緩和医療の界隈では、オピオイド開始時に予防的な吐き気止めをルーチンで使用しない方向になりつつある(2020年ガイドライン)。昨年参加した某緩和医療研修会でも、複数の講師は吐き気止めの処方を否定的に説明された。

以前は、オピオイド開始時に吐き気止めを併用するのはテンプレだったので、なければ疑義照会ぐらいの勢いだったように思うけれど、今後はしばらく、意図して処方しないケースと、結果的に処方もれだったケースが混在することになるのだろうか。これまで以上に患者さんには個別に丁寧に対応する必要がある。まぁガイドラインが浸透するまではあまり変化はないのかもしれないけれど。それよりも、腰痛のブプレノルフィンやトラマドールにテンプレで吐き気止めがくっついている(いつまでも…)やつが、早く改善されるといいですね…。

では、吐き気に対してどうするの?ということですが、そこは強い根拠のオススメはまだない様子で、個々の医療者の考えに散らかってゆきます。
研修会でも、講師のひとりは「吐気が出たらオピオイドローテーションをする」と言い、もう一人の講師は「吐き気止めなど出さなくていいし薬剤師はそもそも吐き気のリスクなど説明するな」というスタンスだった。

前者の、悪心嘔吐がおきた薬を続けて飲む気にならないだろうからすぐ変更する、という考えはまぁわかるけど、これで一つ選択肢が減るのはもったいないと思ってしまう。吐き気があるなら吐き気止めを試してもよいのではないか。そもそも慣れる可能性もあるのだし。外来フォローであればそのつど再診もたいへんですよね。

後者に対しては、一昔前に退行しているような違和感を感じた。制吐剤を処方せず、吐き気について触れず、患者が服用後にひどい悪心嘔吐を催した場合、オピオイドに対する不信感に加えて医療者に対する不信が増大するのではないですかね。だからオキノームが山盛り患者宅に余ってたんではないですかね。そういう失敗を繰り返して、医療者と患者のコミュニケーションは少しずつ進んできたはずですが、ここへきて「そもそも説明しなければいい」というのはなんか退行してるように感じるんですよね…。

オピオイド開始時に吐き気止めを「ルーチンで」投与する意味がない、というだけで、効果があるひともいるでしょうから、どういう人たちなら効果があるのか、はやく見つけられるとよいですね。

この試験に限らないんですが、「そもそもプラセボはどのくらい効いてるのかな」という興味があります。吐き気ってプラセボ効きそうな気がする。今回は実薬群VSプラセボ群でしたが、飲む群と飲まない群で結果をみてみたいなぁなど思いました。

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