キシリトール含有製品でむし歯の予防は可能か?コクランのシステマティックレビュー。
P:子供も大人もみんな
E:キシリトール含有製品
C:プラセボ
O:むし歯が減るか
10件のRCT、5903名、メタアナリシスに含められたのは2件のみ
4216名の子供、キシリトールとフッ素含有歯みがきVSフッ素含有歯みがき、キシリトール入りはむし歯を13%減らすかもしれない。
※バイアスのリスクが高い
※メタアナリシスに含められたのは2件だけ(歯磨き粉の研究)
※その2件は同じ施設で行われており、他のケースに当てはめることが難しい
※ガムやトローチによる介入でキシリトールの効果をみたいなら、プラセボ群が必要
「キシリトールガムは歯みがきの代わりになるん?むし歯予防できるん?」というご質問がありまして、さてさて、さすがに代わりにはならんだろうけどキシリトールはどのくらい効くんかな?と思って調べました。2015年にコクランによってバッサリやられておりました。これによって「効果ナシ」と判断する向きもあるけど、どっちかというと「キシリトールの効果がみえるまともな研究をしてね」ということだと思っています。
キシリトールガムをかむことで、「ミュータンス菌の栄養になる糖を置き換える」「唾液がたくさん出る」「キシリトールによるミュータンス菌の阻害作用」の3つがむし歯を減らす理由と考えられているので、キシリトールガムを食後にかんだらむし歯が減りました!だと、それはキシリトールの効果なのか、ガムをかんで唾液がいっぱい出た効果なのか、わからなくなる。むし歯菌(ミュータンス)のえさになる糖質がキシリトールに置き換わるからむし歯予防になってるなら、キシリトールじゃなくても他の糖質に置き換えてもいいかもしれないし。
だから、キシリトールの効果だけを取り出すために適切なプラセボを置くのは大切なんだな。
このSR以降に行われたRCT読みたい…良いRCTが行われているのか?
あと、キシリトール云々よりも予防にはフッ素が大前提だなと、あらためてフッ素の大事さを感じたので、そちらも。
※本文からメモ
キシリトールとは?
キシリトールは多くの果物や植物に見られる糖アルコール。小腸に吸収されないため、インスリン産生に生理学的な要件をもたらすことなく、ショ糖と同等の甘味を実現します。その結果、キシリトールは多くの糖尿病食品のショ糖代替品として使用されています。キシリトールの有害な副作用は、下痢しやすいこと。
むし歯が発生する4つの要因
- 発酵性炭水化物(食用糖)
- 細菌(歯垢/バイオフィルム内)
- 影響を受けやすい歯の表面
- 前述の要因が相互作用するのに十分な時間