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マスクの着用はウイルス感染症から身を守るのか?

手ぬぐいマスクさくら 薬剤師のお仕事

コロナウイルス飛沫感染に関する研究~マスクの効果と歌唱時のリスク検討~
目的;マスクの効果について定量的な評価を行うこと
方法;実験は被験者に流量計測用マスクを取り付け、会話、大声、歌唱、飲食時における呼気流量の変化を調べた。また、被験者の口もとに熱線流速計を設置し、口からでる気流速度を計測した。飛沫量については感水紙を用いて実験を行った。
結果;リンク先を参照

https://www.tut.ac.jp/docs/201015kisyakaiken.pdf

↑吐き出し飛沫は、不織布と布で8割捕集できる、ウレタンは性能が下がり5割程度、フェイスシールド2割マウスシールド1割と下がる。シールドは大きい飛沫だけ防ぎ、エアロゾルには効果がない。吸い込み飛沫は不織布がもっとも有効。不織布はすこし息苦しさがあるけれど、だからこそ効果があるともいえる。リスクの少ない場面では布マスクを着用し、人が集まる場面等では不織布マスクを使うなど、使い分けるのがよさそうです。
大きな声で話したり歌ったりすると飛沫10倍、飲食時には3~4倍。カラオケは飲食しながら歌うから大変なことになるんですね。14倍ですって…それはクラスターなりますね…。カラオケは感染拡大しているあいだは避けたほうがよいでしょうね(ストレス発散に歌わないと死んでしまうひとはヒトカラに行こう)。
会食は「会」と「食」に分けたらいいですよね、どっちかというと「会」でしょう、大事なのは。
対面で話したければマスクをつけて換気のよい部屋でお話する。飲食はナシ。
どうしても飲みながら話したければオンライン飲み会をする。
うまいもん食べたいのなら一人で食べに行く。
でも外食はやっぱり、自分以外の状況をコントロールできないことも多いので(近くの席の客が大声でしゃべる、換気の悪い席に通されるなど)やはりしばらくは控えたいなぁ。しばらくはテイクアウトですね。

PMID-24229526
市販のフェイスマスクに代わるものとして、自家製マスクを調べた。さまざまな素材について、微生物を遮断する能力や、顔にフィットしやすさ、装着して咳をしたときの拡散をしらべた。どちらのマスクもボランティアが排出する微生物の数を有意に減少させたが、感染を遮断する効果はサージカルマスクの方が自家製マスクよりも3倍高かった。

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↑マスクが効果を発揮するには、微生物を通過させないフィルターとしての効果と、顔にフィットさせられるかという点が大切。たしかに鼻マスクあごマスクではどんだけフィルターがよくても意味がない。様々な家庭の布をしらべた結果、枕カバーと綿100%Tシャツがよいとか。実際には使い古したやつを使うってことですかね…性能が変わりそうな気もする。個人的にはtea towelっていうのが良さそうでは…(手ぬぐい過激派の意見)

PMID-19216002
日本の三次医療病院の医療従事者で行われた無作為化比較試験(マスク着用するVSマスク着用しない、77日間で風邪をひく人はどちらが多い?)では32人の医療従事者が研究を完了、この期間中に2つの風邪があり、各グループに1つずつ。また、マスク着用するグループでは、研究期間中に頭痛を経験する可能性が有意に高かった。つまりこの研究では、医療従事者におけるマスクの使用は、風邪の症状や風邪の面で有益であることが実証されなかった。マスク着用しないことの非劣性を確立するにはより大きな研究が必要。

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↑罹患者が全体に意外と少ないと感じた

PMID-21103330
2008〜2009年のインフルエンザシーズン中にフランスで行われた。参加者は、インフルエンザA検査で陽性であり症状が48時間未満の患者、とその世帯。患者は受診した日から5日間、サージカルマスクを、着用する群VS着用しない群にクラスターランダム化。どちらがインフルエンザ様疾患をより発症するか調べた。この試験は当初372世帯をめざしたが、諸事情で105世帯で中断された。患者はマスクをつけてもつけなくても、世帯のひとの発症について二群に差はなかった。

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↑このフランスの試験は、症例数がしっかりしたものをもう一度見たい気も。

PMID-19773323
システマティックレビュー、ウイルスの拡散を防ぐまたは軽減するための物理的介入は何がよいか?
ランダム化比較試験より:マスク単独ではなく手指消毒と併用で効果あり
症例対照研究より:1日10回以上の手洗い、マスク着用、N95マスク着用、手袋着用、ガウン着用、あるいはそれらの組み合わせが有効そう、どれが費用対効果の高い方法か質の良い研究が必要

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↑こうしてみるとどれも効果ありそうに見えるけど、手指衛生を徹底することは難しいということ、正しくマスク着用順守するの大変ということ。盲検化もできないし、研究ごとに母集団はだいぶ異なるし、難しい研究なのだなと改めて。マスクするかしないかだけにこだわっていると本質を見失いそうである。
(メモ)N95マスクは発疹やにきびなどを起こすことがある

PMID-19652172
インフルエンザと診断された家族がいる約6069人の香港在住者を対象とした、マスクとアルコール手指消毒のクラスターランダム化比較試験。栄養などの健康教育(134世帯;コントロール群)、手指衛生(136世帯;介入群その1)、家族全員マスクと手指衛生(137世帯;介入群その2)。迅速検査とPCR検査。1週間後に家族はインフルエンザに罹患するか?⇒介入群と対照群の違いに有意差なし。Limitation:初発患者の症状発現から36時間以内に介入が実施された154世帯では フェイスマスクと手指衛生で罹患が減少したかも(調整オッズ比,0.33 [ 95%CI,0.13〜0.87])。

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↑発症・受診時から介入までの時間がかかりすぎて(半分以上は36時間以上あとで介入を受けている?)、いちばん感染しやすい時期を逃していることがもったいない、すぐ介入できればちゃんと差が出たかもという試験

PMID-10742313
こどもの急性上気道感染症は、育児する人間が感染制御をおこなうと減らすことができるか?クラスターランダム化比較試験。介入群は、手洗いおよび無菌鼻拭き技術(鼻吸い?)を保育士に訓練した。2週間ごとの電話インタビューで親から聞き取り。全年齢範囲で風邪の有意な減少はなかったが、24ヶ月以下の子供に関しては17%減少。

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↑別のSRで(PMID-19773323)質の良い研究だとほめられてたようなので読みたかったけど要旨だけではあまり分からず…

PMID-20088690
マスクと手指衛生によって健康な人たちの一次感染を予防できるか?クラスターランダム化。大学の学生寮において、control群、マスク群、マスク+手指衛生群の3群に分けて6週間。ベースラインは1297名。マスク群とマスク+手指衛生群はインフルエンザ様疾患を減らしたが、有意差があったのはマスク+手指衛生群。マスク群は調整後は有意差なし。

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control群の女性が多いなとか手洗い遵守が高いなとか思ったり。若いので喫煙率が低い(しかしゼロではない)。6週間の研究期間のあいだに1週間もお休みがあって自由行動だと、寮の外でもらってきちゃうのではないかとか。そもそもこの年はインフルエンザが少なかったようなので、研究の結果が出にくかったそうです。マスク+手指衛生群は手洗い習慣が少ないが、期間中アルコール手指衛生はしっかり行ったようで、そんな点も影響してるかもとか。
この研究、アルコール手指衛生をごっそり抜いてマスクだけの研究をしていたら、手洗い順調なcontrol群がいちばん良かったりするのだろうか。

PMID-25903751
クラスターRCT、ベトナム医療機関の職員1868人中1607人が参加し、メディカルマスク群580人、布マスク群569人、好きにしてよい群458人、の3群に分けた。マスクは毎日2枚、布マスクは4週間で5枚(各自洗って使う)配られた。コントロール群にマスク非着用を強いられず着用率が高かったため(マスク37%、布8%、両方53%)着用非着用の比較はできなかったが、呼吸器症状、インフルエンザ、ウイルス感染症いずれも布マスクで多くなった。

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話題になったので読んでみた…けども、RCTなのに、control群の99%がマスクを使用?これは許容範囲?事前に普段のマスクの着用率とか調べられないのだろうか。前提がちょっとアレな気がするけど…。試験のあとでcontrol群をマスクの種類で分けて各群に割り付けるのも、いいんですかねよくわからない。結果としては、数字をいじくりまわして布マスクはダメだと言いたいのはよく伝わった。
この試験でも、結果の中にさらっと「手洗いが有効」というデータが出てきますね。医療従事者だから一般の人よりは感染リスクに関して意識が高いはずと思うけれど、インフルエンザの予防接種率3.6%は少ない気がするし、手洗い徹底したほうがよさそうな気がしてきますね。

PMID-26980847
ベトナム医療機関のRCT(PMID25903751)でマスク着用順守について調べたもの。4週間でマスク着用順守率は下がった(調整済みRR 0.90,95%CI 0.85-0.95)。有害事象を報告した参加者は順守率が下がっていた。医療用マスクと布マスクで順守率に差はなかった。発熱患者に接すると順守率があがり、エアロゾル発生する処置をすると順守率が下がった(?)。喘息のある医療従事者のコンプライアンスは有意に高かった(RR 1.37,95%CI 1.11-1.68)

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↑この論文にはマスクの写真がのってて、いわゆる「布マスク」を初めて見た。これならいまみんなが工夫して作ってるマスクのほうがよっぽどいいんじゃないかな~とか思う。試験での有害事象は、呼吸苦、頭痛、皮膚症状、不快感など。エアロゾル発生するケースでマスク着用が減るのはなんでなんだろう?

WHO マスクを使用する時期と方法

When and how to use masks
WHO's guidance and advice on the use of masks to protect against and limit the spread of COVID-19.

※インフォグラフィックで英語でもわかりやすいのでぜひ↑↑

お住いの地域が流行地域かどうかがカギなので、ある程度地域の感染状況は耳に入れておき、おのおので着用の必要性を判断するわけですが…
難しいですよね。人により判断に差があるので。温度差も。
「あの人、マスクもつけないでこんなところに!」とか
「えっ、もう流行おわったんじゃないの?」とか
「あごマスクじゃ意味ないじゃん」とか、軋轢を生む…。
かといって、だれか偉いに「みんなマスクをしなさい!」って言われて従うほうが、まぁラクチンなんですが、こんどはマスクを付けられないひとが置き去りになったり疎外されてしまう可能性がある。

柔軟に考えられるようになりたい。

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